長年、塾として中学生と関わっている中で、内申点を意識せずに中学校生活を過ごし、後から後悔している生徒を何人も見てきました。
沖縄県の高校入試は、基本的に「3年間の通知表(内申点)」と「試験本番の得点」が5:5の比率で評価されます(※学校や学科により比率が異なる場合もあります)。
「5:5」と聞くと、「試験本番で高得点を取ればなんとかなる」と考える方もいますが、高校ごとに合格に必要な内申点の目安はある程度決まっています。もし必要とされる内申点に届いていない場合、本番のテストだけで挽回するのは非常に困難になります。だからこそ、点数が取りやすい中1からのスタートダッシュが圧倒的に有利なのです。
これから中学生になる皆さんに一番伝えたいことは、「中学1年生になった瞬間から、高校受験はすでに始まっている」と早く自覚することです。
実は、中学1年の学習内容は基礎中の基礎。中学3年間の中で一番簡単で、高得点が取りやすい「ボーナスタイム」なのです!この時期にしっかりと好成績を取って内申点を稼いでおくことで、中2・中3になったときに心に余裕ができ、進路の選択肢も大きく広がります。
1. 小学校と中学校、勉強はどう変わる?
「小学校ではテストで80点、90点が当たり前だったのに…」
中1の最初のテストでショックを受けないために、まずは中学校での「変化」を知っておきましょう。
変化① テストの目的が「確認」から「選抜」へ
小学校のテストと、中学校の定期テストは全くの別物です。
小学校のテストは「みんなが100点を取れるように」作られていますが、中学校のテストは「成績に差をつけるために」難しく作られます。
「テスト前だけちょっと勉強すればOK」という感覚は、中学では通用しません。また、小学校では単元が終わるごとにすぐテストがありますが、中学では年に4~5回しかなく、テスト範囲も広くなります。そのため、5教科まとめて計画的に勉強を進める力が必要になります。
| 項目 | 小学校のテスト | 中学校の定期テスト |
| 頻度 | 単元が終わるごと(頻繁) | 年に4~5回(中間・期末・学年末) |
| 範囲 | 直前に習った狭い範囲 | 教科書30~50ページ分など広範囲 |
| 目的 | 「理解できているか」を確認する | 「順位」をつけ、内申点を決める |
| 平均点 | 80~90点が普通 | 50~60点になるよう作られる |
変化② 英語は「楽しむ」から「教科」へ(難易度激増!)
小学校の英語は、歌や会話を通して「英語に親しむ」ことが中心でした。しかし中学校では、最初から「書く(スペル)」ことが求められ、小学校で習った単語(約600語以上)は「すでに知っている前提」で授業が進みます。
また、教科書改訂により中学英語の難易度は劇的に上がりました。新中学1年生になる皆さんは、お父さんやお母さんの世代よりも、はるかに多くの英単語を覚える必要があります。
【中学校で学ぶ英単語の数】
高校入試までには、最低でも2,500語は必要です。
球陽・開邦・那覇国際などの進学校を目指す場合は、約3,600語(英検準2級レベル)が必要になってきます。
| 区分 | 単語数(目安) | 備考 |
| 小学校での既習分 | 600 〜 700語 | 小学校で「聞いた・話した」単語 |
| 中学校で新しく学ぶ分 | 1,600 〜 1,800語 | 文法と一緒に新しく覚える単語 |
| 【合計】中学卒業時 | 2,200 〜 2,500語 | 高校入試に必要な語彙数 |
「be動詞」と「一般動詞」の違いなど、文法用語も本格的に登場します。ここでつまずくと、3年間ずっと苦手意識を引きずることになります。英語は単語、文法、読解、リスニング、ライティングとやるべき事が本当に多く、1つでも理解できていない部分があると全体に大きく影響してしまうため、コツコツと努力を続ける必要があります。
変化③ 算数から「数学」へ。積み上げが命
中学校からは「マイナス(負の数)」や「文字(x, y)」といった抽象的な概念が登場します。
数学は「積み上げ教科」です。中1の「方程式」が分からないと、中2の「連立方程式」は絶対に解けません。一度分からなくなると、自力で取り戻すのが最も難しい教科です。小学生で習う算数が完璧に出来ていないと後々苦労することになるので、しっかり復習しておきましょう。
変化④ 国語の難易度も上がる
文章問題は小学校の頃よりも長くなり、漢字も難しくなります。
国語力はすべての教科の基礎となる最重要科目です。国語の読解力がないと、数学の文章問題の意味が理解できなかったり、他の科目の教科書の内容も頭に入ってこなくなったりします。
2. 知っておくべき「沖縄県高校入試」のルール
高校ごとに、合格に必要な内申点の目安があります。中学3年生になってからその事に気が付いても遅いので、注意が必要です。内申点は高くて困ることは絶対にありません。点数が取りやすい中1から、しっかり対策をしていきましょう。
参考までに、当塾で目指す生徒が多い人気校の内申点の目安をご紹介します。
【目標とする内申点の目安(165点満点)】
- 球陽・開邦・那覇国際高校:3年間の合計 150点以上(ほぼオール5)
- 普天間・浦添高校:3年間の合計 140点以上(4と5が半々)
- 宜野湾高校(普通科):3年間の合計 118点以上(3と4が半々)
ルール① 入試は「中学1年」から始まっている
沖縄県は「中1・中2・中3」すべての学年の成績(内申点)が合算され、志望校選びに大きく影響します。つまり、中1の1学期中間テストの結果が、そのまま3年後の入試の持ち点(内申点)として確定していくのです。
【前提知識!通知表の評定と定期テストの点数目安】
- 5(85点~100点):応用問題までしっかり解けている
- 4(70点~84点) :基礎は完璧、応用問題で少しミスがある
- 3(50点~69点) :平均点前後。基礎はある程度OK
- 2(20点~49点) :基礎の計算や英単語でつまづいている
- 1(0点~19点) :提出物も出していない危険信号
1年間の通知表で「5」を取るためには、年4〜5回ある定期テストで毎回85点以上を取る必要があります。もちろん、日々の単元テストや、提出物・授業態度もしっかり評価されます!
ルール② 副教科(実技科目)は「1.5倍」されるので超重要!
内申点を計算する際、沖縄県には以下のような独自ルールがあります。
- 主要5教科(国・数・英・理・社):そのまま計算(5評価 × 5教科 = 25点)
- 実技4教科(音・美・保体・技家):1.5倍して計算!(5評価 × 1.5倍 × 4教科 = 30点)
つまり、数学の「5」よりも、体育や音楽の「5(計算上は7.5点)」の方が、入試での配点が高いのです。主要5教科だけでなく、実技科目もしっかり対策し、真面目に取り組む必要があります。
【3年間、成績が同じだった場合の内申点合計】
- オール5をとり続けた場合(年間55点):合計 165点
- オール4をとり続けた場合(年間44点):合計 132点
- オール3をとり続けた場合(年間33点):合計 99点
まとめ:新中1が今すぐ意識すべき3つのこと
- 定期テストは毎回、85点以上を目指して頑張ろう!
- 提出物の期限厳守・積極的な授業態度は超重要!
- 実技科目(副教科)も手を抜かずに大事にしよう!
繰り返しますが、中学1年の学習範囲は基礎中の基礎なので、最も高得点が取りやすい時期です。
中1でしっかりと内申点を上げて、2年生、3年生と余裕を持って志望校合格へ向かっていきましょう!!
